中小企業診断士試験の合格率がどのくらいなのか?
診断士の試験にチャレンジする際の心の準備として知っておきたい、
難易度の判断とあわせて合格に向けて踏み出す点火剤にしたい、
今回は中小企業診断士の1次試験と2次試験(口述含む)の合格率の推移を見てみました。出典はSMECA(中小企業診断協会)です。
中小企業診断士の秋田(元銀行員)です。(中小企業診断士登録番号第209619号)
※ 自己暗示・アファメーション・口ぐせの実践において自分流の使い方のことを私は「黒板メソッド」と呼んで人生創造に役立てています。(診断士試験にチャレンジする人におすすめです。良かったらどうぞ。何といってもタダですから)

「中小企業診断士の秋田です」「中小企業診断士の秋田でございます」と歩きながら、トイレに入って(他に誰もいない時などに)、お風呂で湯船につかっている時などに、自己暗示・アファメーションのようにとなえていたら・・・⇒ 10ヶ月で合格しました。その後2次も3次も合格。最終的にちょうど1年の勉強で中小企業診断士になれました。
⇒ 黒板メソッド(口ぐせ)1年で診断士に合格
【結論】
・1次試験は平成まで20%台の合格率だったものが令和になってから30%台、40%台と大幅に合格率がアップしている。(中小企業育成のために新しい診断士をどんどん育てようとしているのか、新陳代謝のために高齢の診断士に代わる次世代をどんどん補っているのか真相は不明ですけど)
・2次試験は、例年約1,000人前後の合格者数だったのが2021年は1,600人になるなど急激に増えている。
(1次試験との絡みか、もう少し様子を見た方がいいのか、まだ判断がつきにくい状況です)
・いずれにしても試験にチャレンジする人にとっては朗報です。ぜひ今のうちに真剣に取り組んで合格を手にして欲しいもの。
合格率については中小企業診断協会が提供しているPDFファイルがあります。先に確認したい人はこちらからどうぞ。
中小企業診断士1次試験の受験者数・合格者数・合格率の推移
(単位:人・%)
年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成21年(2009年) | 15,056 | 3,629 | 24.1 |
平成22年(2010年) | 15,922 | 2,533 | 15.9 |
平成23年(2011年) | 15,803 | 2,590 | 16.4 |
平成24年(2012年) | 14,981 | 3,519 | 23.5 |
平成25年(2013年) | 14,252 | 3,094 | 21.7 |
平成26年(2014年) | 13,805 | 3,207 | 23.2 |
平成27年(2015年) | 13,186 | 3,426 | 26.0 |
平成28年(2016年) | 13,605 | 2,404 | 17.7 |
平成29年(2017年) | 14,343 | 3,106 | 21.7 |
平成30年(2018年) | 13,773 | 3,236 | 23.5 |
令和1年(2019年) | 14,691 | 4,444 | 30.2 |
令和2年(2020年) | 11,785 | 5,005 | 42.5 |
令和3年(2021年) | 16,057 | 5,839 | 36.4 |
【出典:中小企業診断協会資料】
※ 1次試験は1科目でも受験した人・合格した人の人数と、全科目の合格者数とありますが、ここでは全科目の合格者数をひろっています。
【ここまでのまとめ】
・毎年平均約2割前後の合格率となっていました。(令和から少し合格率がアップ傾向)
・申込み者数と実際の受験者数との開きが多いのはそれだけハードルは高いと言えるのではないかと思います。
・2021年度の1次試験合格率は(5,8394名合格の)36.4%と高い合格率となっているのが特徴的です。



令和になってから合格率が少し上がってきている感じです。
また合格者数も増えているような気がしますが・・・
それだけ診断士の数が求められている、ということなのかも知れません。
※ 国が成長して欲しいと願っている中小企業にアドバイスしてくれる診断士の人数が足りないという判断か?
※ 診断士自体も高齢化が進んで(引退する先生の数的補充や新陳代謝のためにも)若い診断士が求められているのか?
※ 国策レベルの思惑として海外との競争のために日本の企業に(海外の資本に狙われないように)どんどん成長してもらって日本経済を支えて欲しい、というものがあるのか?
2次試験の受験者数と合格者数・合格率の推移


年間に約1,000人弱が合格する試験レベルになっています。ところが2021年は・・・
(単位:人・%)
年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成21年(2009年) | 5,331 | 951 | 17.8 |
平成22年(2010年) | 4,736 | 925 | 19.5 |
平成23年(2011年) | 4,003 | 790 | 19.7 |
平成24年(2012年) | 4,878 | 1,220 | 25.0 |
平成25年(2013年) | 4,907 | 910 | 18.5 |
平成26年(2014年) | 4,885 | 1,185 | 24.3 |
平成27年(2015年) | 4,941 | 944 | 19.1 |
平成28年(2016年) | 4,394 | 842 | 19.2 |
平成29年(2017年) | 4,279 | 828 | 19.4 |
平成30年(2018年) | 4,812 | 905 | 18.8 |
令和1年(2019年) | 5,954 | 1,088 | 18.3 |
令和2年(2020年) | 6,388 | 1,174 | 18.4 |
令和3年(2021年) | 8,757 | 1,600 | 18.3 |
【出典:中小企業診断協会資料】
・2021年は受験者数(約8,700人)も合格者数(1,600人)も高い水準でした。
・2次試験は最終的な合格率が18%~19%で推移。
・微妙な「サジ加減」があるのかも知れません。



1次試験の合格者数が増えていますので当然に2次試験の受験者数も増加傾向にあります。
診断士の試験を受験する者の特徴
2021年度の合格者から特徴的なことをひろってみました。出典は中小企業診断協会の資料です。
男女比・合格者の職業別の比率・年齢層を分析してみました。
男女比は圧倒的に男性が多い9:1
【1次試験合格】
男性:女性=5,436人:403人=93:7(毎年こんな感じの数字です)
【2次試験合格】
男性:女性=1,428:172=89:11(以前は女性の比率が10%未満でしたが上昇しています)
・男女比は圧倒的に男性が多い。
・それだけビジネス色の強い資格試験だと言えます。
※ 会社内での資格として保有しておくことも昇級・昇進・昇格に優位に働く可能性があるからだと思われます。
※ 以下の数値では、2019年の数字と比較して新しい数字をチェックしてみてください。
職業別の受験者は・・・圧倒的にサラリーマン(民間企業勤務)が多い
【1次試験合格】
・民間企業勤務 3,632人(62.2%)【ちなみに2019年は?】2,778人(62.5%)
・金融機関勤務(政府系除く) 572人(9.8%)【2019年】469人(10.6%)
・その他(無職含む) 413人(7.1%)【2019年】309人(7.0%)
・公務員 231人(4.0%)【2019年】170人(3.8%)
・税理士・公認会計士等の自営業 168人(2.9%)【2019年】128人(2.9%)
・経営コンサルタント会社等勤務 145人(2.5%)【2019年】112人(2.5%)
・・・・・
・2019年と比較して比率的にはまあ似たようなものになっています。
【2次試験合格】
・民間企業勤務 1,016人(63.5%)【2019年】705人(64.8%)
・金融機関勤務(政府系除く) 162人(10.1%)【2019年】95人(8.7%)
・その他(無職含む) 69人(4.3%)【2019年】64人(5.9%)
・公務員 72人(4.5%)【2019年】58人(5.3%)
・税理士・公認会計士等の自営業 56人(3.5%)【2019年】37人(3.4%)
・経営コンサルタント会社等勤務 55人(3.4%)【2019年】33人(3.0%)
・・・・・ ・サラリーマンと金融機関で約7割強。
・税理士や公認会計士など複数の資格にチャレンジする方々には頭が下がります。
受験の年齢層は中堅サラリーマン?
【1次試験】
・30~39歳 1,779人(30.5%)【2019年】1,401人(31.5%)
・40~49歳 1,674人(28.7%)【2019年】1,377人(31.0%)
・50~59歳 1,152人(19.7%)【2019年】871人(19.6%)
・・・・・
※ 20歳未満が22(2019年は7人)、最年少14歳、最年長81歳。
【2次試験】
・30~39歳 687人(42.9%)(【2019年】406人(37.3%)
・40~49歳 416人(26.0%)【2019年】354人(32.5%)
・50~59歳 193人(12.1%)【2019年】161人(14.8%)
・・・・・
※ 2019年はさすがに20歳未満はゼロでしたが、2021年は最年少が19歳です。(凄い)
・70歳以上はゼロの最年長69歳。2019年は70歳以上が2人でした。
・働き盛りの30~49歳がメインなのは予想通り。
・定年退職が近い50代のチャレンジ・合格も多いのも特徴的ですね。
・たまたま合格ゼロでしたが70歳を超えてのチャレンジ・合格は本当に凄いと思いました。
まとめ
これまでは、、
毎年毎年、1次試験では約2万人が申込みして、約13,000人受験して ⇒ 約3,000人が合格する形。
2次試験では約4,000~5,000人くらいが受験して、約800~1,000人くらいが最終的な合格、となるパターンでした。
2次試験を断念する人は少ないかと思います。
もちろん何回もチャレンジしたけど最終的に「あきらめた」という人もいらっしゃるのでしょうけど。



それが令和に入ってから、また特に2021年は受験者数も合格者数も合格率も特異なくらい伸びています。新しい流行り病の影響でのリモートや在宅などといったライフスタイルの変化や人々の意識の変化(仕事がなくなったことなどの外的要因や将来への不安など)で大きく変わってきたのではないか、と思われます。
【まとめ】今、診断士を目指すのはチャンスです。
・論述まで到達できれば口述はセレモニー的な試験ですから、ぜひ合格まで頑張って欲しいものです。
・中小企業診断士の資格は(企業内診断士だと)自分のサラリーマン生活においてきっと役立つことになります。
・特に、コンサルそのものが業務としてもですが、好きだ・自分に合っているという人にはぜひとも取得されることをおすすめしたい資格です。
ここまで本当にありがとうございました。